ツボシリーズ、今回は労宮(ろうきゅう)についてまとめてみました。これも鍼灸の資格を持っている人なら誰もが知っているメジャーなツボであり、よく使うツボになります。
では、あらためて労宮はどのような効果が期待できるのでしょうか?今回はそのあたりを中心にまとめてみました。ではどうぞ最後までお付き合いください
労宮の概要
労宮(ろうきゅう)は、手のひらの中央にある重要なツボであり、中国医学の経絡理論に基づく「手の厥陰心包経」(てのけついんしんぽうけい)という経絡に属しています。このツボは、精神的および身体的なストレスを軽減し、全身のエネルギーバランスを整える効果があるとされています。「労」は「疲労」の労を意味し、「宮」は「中心」を意味するため、心身の疲労を取り除くための場所と考えられています。
セロトニンとは、脳の興奮を抑えて、心身のリラックスを促す効果があると言われます。
なので、セロトニンが不足すると、イライラや不安・恐怖などのストレスを感じやすくなります。
その結果、自律神経機能の低下が起こり、めまい・頭痛・不眠・体全体がだるくてしんどいなど様々な症状が現れます。
労宮を押すことで、このセロトニンの分泌を促すと言われます。
また、セロトニンを増やす為にできることは
- 適度な運動をする
- 深呼吸をする
- 美味しものを食べる
- よく噛む
- 日光を浴びる
などが挙げられます
労宮の位置
労宮は、手のひらの中央、具体的には手を軽く握り、中指と薬指の先端が当たる部分に位置します。この部分を押さえてみると、わずかに凹んでいたり、圧痛として感じられる箇所があります。ここが労宮のポイントです。この位置は非常に敏感で、軽く押すだけでも*『他の部分と違うような感覚』を持つことが多いため、労宮を探す目安として活用することができます。
*ここで言う『他の部分と違うような感覚』とは、他と比べたら、痛いけど気持ちがいいとか、鈍い痛み、「あーそこそこ!!」という言葉が漏れるような場所をいいます
労宮の主な効能と効果
労宮は、精神的なバランスの調整に非常に効果があるツボとして知られています。以下は、労宮の代表的な効果と効能についての説明です。
1. ストレスと精神的疲労の緩和
労宮は、心身の緊張を解きほぐし、リラックス効果をもたらします。特に、精神的な疲労がたまっているときや、ストレスを感じているときに効果的です。手のひらは、日常生活の中で多くの作業をする部分であり、常に活動しているため、この場所に疲労がたまりやすいとされています。労宮を刺激することで、精神的な緊張を緩和し、リラックスした状態に導くことができます。
2. 不眠症の改善
不眠症に悩んでいる方にとって、労宮は効果的なツボの一つです。夜間、眠れないときや、寝つきが悪いと感じるときには、労宮を軽くマッサージすることで、心を落ち着け、安眠を促す効果があります。このツボを指圧することで、副交感神経が活性化され、リラックス状態を促進するため、快適な眠りをサポートしてくれます。
3. 手の緊張や痛みの緩和
手の疲労や緊張がたまっているときにも、労宮は有効です。パソコン作業やスマートフォンの使用など、現代人の多くは手を酷使する状況に置かれています。労宮を刺激することで、手の筋肉の緊張を和らげ、痛みや疲労感を軽減することができます。
4. 心臓の健康をサポート
労宮は「心包経」(しんぽうけい)に属するため、心臓や循環器系の健康に関連するツボとしても注目されています。心臓の調子が気になる場合や、心の落ち着きが必要なときに、労宮を刺激することで、心臓への負担を軽減し、全身のエネルギーの流れを整える助けとなります。
労宮の刺激方法
労宮を刺激する方法は、さまざまなテクニックが存在します。以下に代表的な方法をいくつか紹介します。
1. 指圧
最も簡単な方法は、親指で労宮を軽く押すことです。リラックスした状態で深呼吸をしながら、約5秒間ほど押し、次に5秒間力を抜くというサイクルを繰り返します。この動作を5〜10分程度続けると、徐々に心が落ち着き、リラックス効果を実感できるでしょう。
2. 円を描くようなマッサージ
労宮を軽く押しながら、円を描くように指を動かす方法も効果的です。この方法は、指圧よりもソフトな刺激となり、手のひら全体の血流を促進する効果があります。ストレスがたまりやすいときや、手が冷える場合にもおすすめです。
3. ツボ押しグッズの活用
ツボ押し用の棒や専用のマッサージボールを使って労宮を刺激することも効果的です。これらのグッズを使うことで、手軽に効果的な圧をかけることができ、セルフケアの一環として取り入れることができます。
労宮と他の関連ツボとの組み合わせ
労宮は単独でも効果的ですが、他のツボと組み合わせることで、さらに効果を高めることができます。特に、心と体のリラックスを目指す場合には、以下のツボとの組み合わせが推奨されます。
1. 内関(ないかん)
内関は手首の内側にあるツボで、労宮と同じく心包経に属しています。このツボは、心の安定や消化器系の健康をサポートする効果があります。労宮と内関を同時に刺激することで、心身のバランスが整いやすくなります。
2. 神門(しんもん)
神門は、手首の小指側にあるツボで、心の緊張を解きほぐし、リラックス効果をもたらします。神門と労宮を併用することで、ストレス軽減や心の安定を強化することができます。
労宮を活用する際の注意点
労宮は、多くの効果が期待できる反面、適切に使用することが重要です。以下の点に注意しながら活用するようにしましょう。
1. 過剰な刺激は避ける
労宮は非常に敏感なツボであるため、強い力で押しすぎると逆効果になる場合があります。特に痛みを感じる場合は、無理に力を入れず、優しく刺激することを心がけてください。
2. 体調に応じた使用
体調が優れない場合や、特定の病状を抱えている場合には、無理に労宮を刺激するのではなく、専門の鍼灸師や医療従事者に相談することが望ましいです。
最後に、、、
健康と感じている人とそうでない人で、仕事の生産性、人とのコミュニケーション、異性からのモテ度合いなど、様々なところで差が出ると言われます。
実際に、元気そうな人と、しんどそうな人とでは、どちらの人と一緒にいたいかと質問をしたら、ほとんどの人が元気そうな人を選ぶと思います。
健康法は色々ありますが、ツボ刺激を習慣化にすることで様々な不調の改善・予防に繋がります。
今回の労宮も手のひらにあり、いつでも触れるツボです。スマホやパソコンの休憩時に刺激をいれてみませんか?
些細なことですが、大きな変化が徐々に現れてくるでしょう。
みんなで健康になっていきましょう
では、今回はここまでにします。今回もありがとうございました。